森林から東北を元気にする・住田ふるさと夢学校

岩手県住田町には明治時代の小学校が未だ残っています。
岩手県住田町には明治時代の小学校が未だ残っています。

神の頂・狼の谷2012知的冒険の旅博物誌」~の抜粋

 2012年度、東京大学庭師倶楽部の活動である「知的冒険の旅博物誌」に就いて、今回はNPО法人ジャパンフォレストフォーラムの実践活動と、ポーランド魔女文化チーム・岩手大学の友人、日本環境財団、東北地域の青年団、東日本大震災後の森林から始まる復興計画と林業地域の活性をテーマに、『住田ふるさと夢学校』を中心に活動を手伝い、岩手県住田町と近隣地域を主体として「神の頂・狼の谷2012知的冒険の旅博物誌」と題し、活動報告を行って行きたいと考えています。
 
 コアとなる住田町に就いては有住(アリスと読みますが、元々先住民の言葉で神の居る山の様な意味)と、世田米(セタマイと読みますが、元々先住民の言葉で狼の住む谷の様な意味)という名の地名が有り、この「有住の住」と「世田米の田」を合わせ「住田町」という町名になったそうで、「先人の知恵に学ぶ地域復興」には大変ふさわしい地域です。

 

事の始まりは2011年3月11日の東日本大震災直後より行って来た救援活動を通じ、日本環境財団さんのご配慮から当団体らが福島から岩手まで北上を続ける中で、岩手の山間部に辿り着いた事から知的冒険の旅博物誌は始まりました。
そこでは、森林日本一の町を目指しており、地域材と地域技術で「純日本性」の木造避難住宅を作り、被災された方に提供して人に安らぎを与え喜ばれていました。
この行為は東京でも高い評価を得て居り、そこで知り合った一人の青年(佐々木康行氏)との交流から「被災地を森から元気にして行こう」という話になり、学校という名のコミュニティーから気仙地域全体の地域活性を行い、岩手大学と住田の地域資源の活用から供給と活性の輪を広げて行く方向性を打ち出し『森の学び舎・住田ふるさと夢学校』として24年度は11のカリキュラムを開校して行く事になり、私達も参加させて貰って居ます。

ここで特筆したい事は、以前より東京大学庭師倶楽部がワルシャワ大学との公式研究として来た「魔女と造園学」(魔女とは、東ヨーロッパに住む先住民の事で、自然科学を生かした独自の森林文化を継承し、人と自然の関わりや、自然力との共存技術の蓄積から、自然界の5つのエレメントを使い地球環境に寄与貢献出来る文化全体を総称しています)の活用により、文化交流から地域独自の先人の知恵を合わせ、活性させる目的がある事です。

クイズです・・・植の写真1つはヨーロッパの森、三つは住田の森です・・・さてどれでしょう?

 

ヒントはこちら・・・・・・

★とても価値ある話★・・・森林資源を活かした住田町の歴史と魅力・講師:菅野 剛氏・・

 

 

神の頂・狼の谷2012知的冒険の旅博物誌」~の抜粋

森林や気仙川などの豊かな自然に囲まれた、住田町の人々の営みや産金や旧宿場町として栄えていた町の歴史など住田町の魅力についてお話しいただきました。
菅野先生は長きに渡り、住田町の町長を務められ、その後も豊富な経験から実践型林学を伝え、大学や地域に寄与貢献されています。
実はこのお話が大変素晴らしく、感激しました。人と森林の関りや、森林力との共存に対して実に優れた実践的森林科学として、今回の知的冒険の旅博物誌に是非記録したいと思い、物理・心理・史実の観点から纏めてみました。
・物理的解析軸
ドイツのP・V・ザーリッシュ博士の言葉に「美しい森林は施業を育む」という一節がありますが、住田地域の山林景観はとても美しく、その根拠には地形・気候・植生・林業効率等の面から数値を解析整理した形で、人工林と自然林の比率が形成されており、まさに日本の森林美学として理想的な林業空間を形成する物理的論理の上に成り立つ事が伺えます。

・心理的分析軸
近年、森林の多様性・森林遺伝子の多様化が盛んに言われていますが、人と山林に対する認識や文化に対しては様々な考えがありますが、森と林の違いを五感で認識し「森林」と書いて「もり」と読む感性が地域文化の中に育まれている事に森林に対する哲学を感じます。
・史実的検証軸
人と森林の関わりや、森林力との共存に就いては、町営の森林として共有意識を持ち活性させて行くという歴史を持つ事で、日本人本来の価値観と近代的な森林資源の活性を共有させる歴史があり、まさに森林日本一の町として、大変参考になる史実を構築しています。

・哲学
今回特筆したい事はこれらのお話の中で「都会は急ぎ過ぎる、雪の中では急ハンドル・急ブレーキ・急加速は禁物、地方はゆっくりだけれど確実に仕事をしている」というお言葉です。
これは林学者として感じていた事ですが、都会の人は1の事を知ったら直ぐに10の事が出来ると思い込んでしまい、10の事を知ったら1の事を行い確実に前に進む事の大切さを忘れており、特に戦後の日本経済の発展の中にその愚かさと浅はかさを常日頃感じており、時間とお金と人を支配し求め、何も残らない都会人が国を衰退させ、自然の摂理と文化の中に確実な発展を求める地方人が国を発展させると一喝された感じですが、本来の日本文化の姿が、地方都市に残っていた事に心地良い爽やかさも感じ、知的冒険の旅に記します。

 

住田ふるさと夢学校開講パーティー
住田ふるさと夢学校開講パーティー

本日の住田ふるさと夢学校は魔女(ヨーロッパ先住民)のケーキ作りです。
森林の多様化に伴い、如何に地域の眠っている森林資源を有効活用して観光などの資源として人々に提供することで、地元も潤えば元気になれるという魔女さんの考えがあります。
被災地を元気付ようと、ポーランド人のアニァさん(魔女さん?)が、「魔女cake」の秘伝レシピを教えてくれました。
講師はポーランドの魔女文化継承者ヤレック君です。神の頂・狼の谷2012知的冒険の旅博物誌」~の抜粋

住田環境資源いろいろ

写真上左・鹿角アート

写真上中央・住田ゆるキャラ「すみっ子」

写真上右・伝統

写真左下・『ツリークライミング体験講座』 森 匡弘氏

写真下中央・ツリークライミング風景

写真右下・森の案内人佐々木康行氏と地元の子ども達

 

『ツリークライミング体験講座』 森 匡弘氏 「ツリークライミング」体験講座
さて、このツリークライミングなるものはロープ一本で森林にある如何なる気にも上ったり、木から木へ渡ったりできるネーチャーゲーム(スポーツ)のようなものです。
この結果、様々なローブワークと木の種類や森の形状をレクレーション感覚から学び、森林でのマナーや安全性も身につけさせてくれる素敵なものです。
参加者にはネーティブアメリカの校長先生から受講認定書を頂きます。
これが達成感につながりとてもうれしく思います。神の頂・狼の谷2012知的冒険の旅博物誌」~の抜粋


東日本大震災・・・・・・・・・・・・救援・復旧・復興

震災発生から救援

 (注・本文に於いては緊急性を要する為、誤字脱字・各名称の不備・不適切なまま多少掲載されているが、敢て緊急性が有った事実の記録として報告書として異例では有るが、そのまま掲載している)平成23年3月11日、午後249分頃より東北及び関東地域を、最大マグニチュード9.2を記録する地震と、最大18メートルを記録する津波が襲った。・・・・・以下当時の緊急報告書の一部を抜粋

 

亡くなられた方々への御冥福を祈り、被害にあわれた方々への御見舞を申し上げ、合わせて一日も早い復興を心より願っている。

 

この『東北大震災』(同年3月14日現時点ではこの様な名で呼ぶ))に於いては、予想をはるかに超える天災による被害が生じて居り、同時に天災前後の人災に関する被害が否めない事も突出した形で見受けられる。その理由として、ある意味で天災は、その大部分が人力の及ばぬ処に存在しているが、人災に関しては有る程度の対応が可能であるにも関わらず、怠っていた部分が結果的に露出している。現地の意見や公平な視点から見ても現政権の対応には残念ながらアラが目立つ。人命に関わる有事の時に政権は派閥を超え、国内にいる適材適所の優れた人材や、諸外国からの有力な応援手法を導入すべきもので、同時に神戸・淡路に於ける震災時に問題視されてきた「天災の認識」「その後の対策に於ける問題点と反省点」或いは「緊急対応した成功事例」が提示されていたが、なぜかその反省点や改善点が活用されていない事も不思議でならない。その結果、場当たり的な対応が日々二転三転してしまい、事実これに対す地元住民の落胆の声を幾度となく聞いて来た。皮肉な事には、一部、議会の中心者・地域に於ける有力者・組織上層部が逃げてしまい、残った警察官や消防隊と地域の自警団が警備や災害復興をしている事実があった。又、医師が早々に避難してしまい地域に残った看護師だけで頑張って治療をしている姿も見受けた。更に地方行政に於いても主要なポジションが姿を隠してしまい、仕方なく役場に残った人達で専門外の範囲まで対策を講じていると言う現実もあった。もちろんこれは一部の人間で、確かに緊急避難は法の範囲であるが、現に多くの人はそれらを超え、人助けをしている者もいる為、最後は人間性だと痛切した。そして、専門家や有識者の数が災害地にしては異常に少ない事が現場から報告されてきた。本来、専門家や有識者とは現場で人の役に立って始めてその仕事を全うするものである。安全な場所でネクタイを締め机上の有識者や専門家であるより、今時に於いては泥だらけに成り、現場で活躍する有識者や専門家の数が必要だと痛切に感じた。環境全般に関して実践活動を行う立場からも、自己の反省を含め、今後深く考えなくてはいけない現実を痛感している。しかし逆に、地域の人々は黙々と復興に向けて努力を続けており、助け合い、復旧活動に従事し、頑張っている姿が各地域で見られ、最悪の事態の中に有る唯一の光りが灯され始めた事から、僅かながら安堵を感じた。

 

救援から復旧

東北地方太平洋沖地震の報道と真実・NPOとして参加したボランティア学生のレポートより抜粋

 

3月20日
東北地方太平洋沖地震とは実際にどのようなものだったのだろうか?
被災地での被害報道では食料や薬、電池、衣類、ガソリン等は不足していて物資が地震の影響でなかなか届けられない、または援助要請が無いと言われています。
その現状を実際に行って、見て、体験し、真実を突きとめるため宮城県に行ってまいりました。

私はNPOの一人として東京大学庭師倶楽部の宮亮介さんと宮江介先生の助手をさせて頂き、3人で食料などの援助物資を持って行き、現地被害の写真撮影をしました。

宮城県に行くための順路は東京からPM6時に出発して国道4号線を北の方にひたすら真っすぐ行きました。宮城県内からは塩釜から石巻に行き、女川町まで行きました。
女川町からは国道4号線から国道45号線に移り、県道398号線を通って女川第二小学校まで行きました。
21日AM6時半頃に女川第二小学校に到着して持ってきた救援物資を届けました。

 


学校は避難所であり、特に医療品が不足していたので我々が物資を届けてくれたことを学校側は非常に喜んでくれました。
結果的に我々のような一般人でも宮城県に行けて、物資を届けることができたことが証明されました。

避難所でみんな協力して助け合い、水や食料などを運んでいる様子が見られます。
この町を襲った津波は被災者にとって永遠に消えないトラウマを植え付け掛け替えのない思い出をも全て奪っていったでしょう。
私は東京に住んでいますがこの現状を見て人ごとに感じず共感性さえも持ってしまい、心が痛くなりました。
しかし人々は今自分でできることに最善を尽くし、希望を忘れずにまっすぐ生きている姿に私は感動し、もの凄く美しく見えました。
私も自分に出来ることで、少しでもあなた方の役に立てればと考えています。遠く離れていても仲間がたくさんいることを忘れないでください。
自衛隊の皆様と協力して一刻も早く再建されることを願っています。

 

第3回 健康と環境フォーラムより抜粋

私は2011年6月29日に同メンバーである宮亮介と共に健康と環境フォーラムの参加と手伝いをいたしました。
今回はフォーラムでの概要と自分の意見等を表記いたします。

第一部は18:00から当団体理事の宮江介による「先地形と生態系と文化から見る先人の知恵と災害対策と復興計画に就いての報告」の公演です。
内容は私も出向いた被災地の現状とそれに対する政府の動き(過去レポート参照)です。他にも「現地にてNPOの方からの聞き取り調査」、「高台にて自治体との学術調査」等がありました。やはりテレビや新聞等のマスメディアよりも現地の人々の方が詳しく確かな情報を手に入れやすいと私も思います。

 

第二部は19:00からは岩手・宮城・福島の各県から青年団として参加してくれたパネリストの佐々木康行氏、古積昇氏、木幡文彦氏、と岩手大学の山本清龍准教授とコーディネーターの吉田賢一先生による
「震災発生から3カ月 大震災、今、未来」の公演です。
本ディスカッションでは各自の沢山の研究のテーマを披露して頂けました。
自然公園の管理計画に関する研究、森林教育プログラムの研究で良質な自然体験の考察など様々でした。それと現在ボランティアで活動できるほしい人材の概要や震災復興構想の課題の説明をして頂きました。
中でも被災地に未だ沢山ある地盤沈下やガレキを円滑に且つ効果的に処理する考えに魅力を感じました。

 

今日の講演会で私は様々な事を改めて学び、確認できました。
これで震災にもっと関心を持ってくれる人が増えてくれれば私もうれしい限りです。
公演してくれた方々には感謝の言葉もございません。
私もこれからもがんばって研究や公演の手伝いに励んで美しい日本を築きあげたいと思います。

復旧から復興・・・・そして住田ふるさと夢学校

・住田ふるさと夢学校文化祭・

写真上左・さて無事にケーキも焼けて文化祭当日、我々のコーナーも好評で二回開催の予定です。

写真上右・特に女性と子供には大人気です。

写真下左・勿論ケーキも大好評で、カボチャケーキ・リンゴケーキ・ジンジャーブレッド・その他  のケーキも全て追加で作り大忙しです。
著者の友人である山本清龍准教授のお弟子さんも駆けつけてくれて白魔女さんと記念撮影。
このcake、男性スタッフにも大人気でした、アニャさん有り難うございました。

写真下右・おかげさまで会場はにぎわい、お礼に日本一長い日本の海苔巻きをごちそうになりました。・・・・・・・・・・・・・・・・・アニァさんはとてもおいしかったと言っていました。

 

写真上左・この街、森の旅人に成ると楽しいです。

知的冒険の旅に出かけましょう
詳しいことは写真の方にお聞きください。

佐々木さんお疲れ様です。ありがとうございました。

写真上右・夜は昨日に続き飲み会です。
皆さんに大変親切にして頂き感謝いたします。

写真下左・「神の頂・狼の谷2012知的冒険の旅博物誌」より・住田の地域力発見フォーラムです。我々が今まで取り組んできた「被災地を森林から元気にする計画」は『住田ふるさと夢学校』に参加させてもらい、ポーランドから魔女さんがケーキを持って応援、そして住田町の方々が新潟県糸魚川市で行われている『糸魚川ジオパークカレッジ』に参加していただくという経緯の中で、我々も住田の行事に実際に参加させていただき、互いに多くを学び、地域活性の為、住田資源から住田ポテンシャルへ発展すべく、25年度に向け24年度の集大成となるフォーラムでした。「見つけよう!住田の地域力発見をテーマ」に「地域の魅力を活かしていくためには?」より・・・・と銘打って、建築・造園・植物・観光・都市計画など様々な分野から多くの活発な意見が出てきました。(詳しくは住田町観光協会から動画が配信それていますので是非ご参照ください。)

コーディネー・岩手大学准教授山本清龍氏
パネラー・岩手大学准教授三宅諭氏 講師松木佐和子氏 邑サポート奈良朋彦氏 住田町民村上健也氏 東京大学庭師倶楽部宮江介

写真下右・東京大学庭師倶楽部の中山さん、ポーランドの白魔女アニァさん、温かい心と文化を有り難うございます。
おかげさまで、住田も森から少しずつ元気になりそうです。
またいつかお越しください。・・銀河鉄道カブェルノ駅町にて・・その後二人は結ばれました。

佐々木 康行さん、ありがとうございます。

佐々木康行さんは岩手県住田町の町役場に勤務しています。

東京大学庭師倶楽部が東日本大震災直後よりお世話らなり、ジャパンフォレストフォーラムの活動を助けてくれています。

尚、佐々木さんは森林の案内人であり、住田町の伝統文化継承者であり、更に芸術家です。

又、震災直後には環境省のフォーラム参加・町役場のメンバーと糸魚川にも学習に来てくれ、更には糸魚川ジオパークカレッジで講義もしてくれました。

ナイフ一本で森暮らしを何でもこなす屈強で優しい佐々木さんを私たちは尊敬と敬愛の念を持って「住田のランボー」と呼んでいます。

いつもありがとうございます、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。